2009年に『White on Rice』で在米日本人を笑いに包んだデイブ・ボイル監督の最新映画『Man From Reno―リノから来た男―』が先月末にニューヨークで封切らた。そして、同作が大好評のため延長興業が決定したのを記念して、北村一輝さんのインタビューを掲載!!
北村一輝
1990年から俳優として活動を始め、99年に主演作『日本黒社会 LEY LINES』(三池崇史監督)でキネマ旬報日本映画新人男優賞、『皆月』(望月六郎監督)でヨコハマ映画祭の助演男優賞などを受賞する。その後、活動の場を広げ、NHK大河ドラマ『北条時宗』(2001)や『大奥』(03)をはじめ、TVドラマにも数多く出演。映画では『容疑者Xの献身』(08)、『鈍獣』(09)、『テルマエ・ロマエ』(12)などで個性を発揮している。
―本作への出演を決めた理由を教えて下さい。どのような点に引かれて、出演したいと思ったのでしょうか?
海外の作品に興味もありますが、何より脚本が魅力的でした。
―藤谷文子さんとの共演はいかがでしたか?
彼女の持つ独特な世界観が、上手くこの作品にマッチしていると感じました。
―北村さん演じる「アキラ」はミステリアスなキャラクターで、英語のセリフもありました。役作りで苦労した点、本作でチャレンジとなった点は何ですか?
アキラのような謎がある役を演じる時には、動かず、なるべくスマートにやることが多いのですが、今回はあえて自然体の部分を出しながら演じました。
―本作の仕事で学んだことはありましたか?
映画、作品に対してのスタッフ全員の思い、愛情は世界共通なんだということを学びました。
―海外の作品に出演されることも多いですが、海外の作品に出演したいと思うのはなぜですか? また、海外作品から(共演者、監督、制作の過程、文化のギャップなどで)どんなことを得て、面白いと思いますか?
もとより、海外、国内と分けること自体あまり好きではありません。国や州などで分けるのではなく、多くの国や人と手をつなぎ、作品を作っていきたいと思っています。映画は政治ではなく、競うものでもない。少しでも多くの人に、素晴らしい映画を観てもらいたい。そうなるために、映画人はあるべきだと思っています。
できることなら、あらゆる国の映画に参加し、そこに出演することで日本にも興味をもっていただければ嬉しいです。
そして、海外の現場が好きです。海外のスタッフの多くは、自由で人として楽しみながら、やるべき仕事をきちんと熟している。日本のように働いている間は、真面目に堅苦しくするというポーズは必要ない。俳優ですが、その前に人間らしく現場にいられる、それは最高ですね。