コーヒーブーム第3の波、「サード・ウェーブ」と呼ばれる、サステイナビリティを考慮したスペシャリティ・コーヒーがとにかくアツい。ミッドタウンのエース・ホテルの中にはスタンプタウン・コーヒー、グランド・セントラル駅のスターバックスはカフェ・グランピーに取って代わりました。ブラックは苦手で、いつも頼むのはラテ。そして店の雰囲気重視という、本格コーヒー好きには怒られそうな軟派な私ではありますが、ロサンゼルスとサンフランシスコをロードトリップ、カフェ巡りの旅に出ました。
形から入る私は、店構えにこだわったロサンゼルスのカフェが大好き。もっともお気に入りなのはシカゴ発インテリジェンシア・コーヒーのシルバーレイク店。ここはバリスタチャンピオンを輩出した実力派ロースター。真っ赤な建物にコーヒーマグから羽根が生えたマーク、アーチ型の門をくぐって入る様は、まさにボヘミアンなコーヒー御殿のよう。ニューヨークと違ってほぼ年中オープンテラスの席で過ごすことができるのはロサンゼルスの美味しいところ。同店のアボット・キニーにあるベニス店も負けず劣らず素敵です。大きな天窓から陽の光をいっぱいに浴び、中心にバリスタのワークスペースを設けたスタジオのような空間は、これぞカリフォルニア! アート感度の高そうな人に囲まれて、アイスラテを飲んだ時、美味しくて目が飛び出そうになった…7年前を思い出します。
ハンドドリップコーヒーを一躍有名にしたブルーボトル・コーヒーの本場は、サンフランシスコ。ミントプラザ店では、オーガニックにこだわったブレックファストメニューを試すことができるので、同地に足を運んだ際は是非。サンフランシスコとナパに店を構えるリチュアル・コーヒーも外せません。大型チェーン店を入れないというヘイズバレーの一角の公園型のオープンスペースには、コンテナを改造した店舗があります。隣には液体窒素を使ったマシーンで即席手作りをするスミッテン・アイスクリーム。エスプレッソと一緒にここのアイスを楽しめば一石二鳥。4大サード・ウェーブのひとつとされ、リチュアルの創業者が始めたフォーバレル・コーヒー。ここの豆の個性を生かした、浅煎りコーヒーはサードウェーブ特有の酸味のある風味が特徴。いつもソイラテを頼むところ、アーモンドミルクとあわせてさっぱり仕上げたラテをここで試して以来、はまってしまいました。そして、サンフランシスコのDIY文化に感化された私は、西海岸で買い漁った豆をミルで挽いて、アーモンドラテを作る毎朝の至福のひとときを最近は楽しんでいます。
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自家焙煎のシングル・オリジンにこだわり、豆からカップまでトータルでコーディネートし、アーティスティックなプレゼンテーションで魅せる。さらに、抽出方法やコーヒーに対する姿勢を共有できる店にしか卸さないというポリシーを貫く。それがいわゆる「サード・ウェーブ」。コーヒーが一般に広まるようになった頃が「ファースト・ウェーブ」、そしてスターバックスに代表されるエスプレッソにミルクを合わせた「セカンド・ウェーブ」という流れから発生した新しい風だ。
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◆インテリジェンシア コーヒー
Intelligentsia Coffee
www.intelligentsiacoffee.com
◆ブルーボトル・コーヒー
Blue Bottle Coffee
bluebottlecoffee.com
◆リチュアル・コーヒー
Ritual Coffee
www.ritualroasters.com
◆フォーバレル・コーヒー
Four Barrel Coffee
fourbarrelcoffee.com
フリー・ジャーナリスト
Aya Komboo
www.ayakomboo.com
日本では数々の出版社で経験を積み、フリーランスへ転身。2006年よりロサンゼルスへ渡米し、現在はニューヨークを拠点にファッション/カルチャー誌などで活躍している。