「食」についての技術やサービスの教育を行うインスティチュート・オブ・カラネリ―・エデュケーションのスティーブン・ゼイガー氏によると、ニューヨーク市の飲食業界では現在、シェフをはじめとするマネージャーなどのサービス担当まで、外食に関わるあらゆる職種で人手不足が続いており、業界での仕事を求める人にとって大変有利な状況であるという。
同氏は「当校には常に人材を求める照会が来ている」とした上で「この業界はもともとアーティスト関係の仕事をする人が昼間の仕事として働く場合が多く転職率が高いうえ、市内では現在ポップアップレストランやフードトラックなど様々な業態の参入が続き、常に人手不足の状態になっている」と説明する。
このため賃金も他の地域より高く、米労働統計局によれば、2014年度における飲食業の全米平均が4万2570ドル(およそ507万円)なのに対し、ニューヨーク州では5万430ドル(およそ602万円)となっている。
チェルシーで2店のレストランを経営するシェフのジェス・シェンカー氏は、フロリダのカラネリ―スクールを卒業後、業界でキャリアを積み上げてきた。シェンカー氏は「料理学校は役に立つが必須ではない。それよりもレストラン業界で働くには強い意欲と決意が必要だ」と若者にエールを送っている。