弁護士スティーブン・エプステインの知ってて安心! 法律指南 Vol.28 ◆雪の転倒事故による訴訟

 ニューヨークは長い冬を終え、春を迎えましたが、今回は雪によるニューヨーク州の法律についてお話します。次の冬に備え、是非覚えておくことをおすすめします。
 冬は歩道に残った雪や氷により、滑ったり転倒したりする事故に出くわす機会が増える時期です。このような事故の場合の訴訟は、路面で歩行者が滑ったり、転倒したりしてけがを負うことにより引き起こされます。ほとんどの事故の訴訟は、雪や氷がある歩道、およびその周りを除雪する義務のある管理者の責任問題から発生しています。万が一、あなたが歩道にある雪や氷により、滑ったり転倒したりしてけがを負った場合、その管理者を訴えることができます。
 まず管理者は、歩行者が過ってけがを負うリスクを減少するために、歩道から雪や氷を取り除いておく必要があります。また、十分な注意を払うことが義務づけられています。雪と氷によってもたらされる危険を予測し、防止する手段をとることも義務づけられています。
 もしも滑って転倒し、けがを負った場合、けがによる苦痛や苦悩によりかかる費用、医療費をその土地の個人所有者や管理者、または雪や氷を除雪するために雇われた会社を訴えることができます。またけがを負ったため、欠勤、または勤務時間が減ることにより収入の減少がある場合、その賃金を補償してもらうことが可能です。さらに、日々の活動や社会生活へ及ぼす悪影響なども保証されます。
 訴訟を確実なものにするため、次のいずれかを表示する必要があります。②土地管理者が雪や氷を除雪していないため、滑りやすい状況になっていた(除雪された雪が歩道にあったり、除雪が完璧ではないなど)②管理者は危険な状況であると知っていたが、そのまま放置していた③管理者が知るべき状況であったが、把握していなかった。
 これらの危険な状況は過失となり、滑ってけがを負ったことを証明する必要があります。また、違法行為で転倒し、けがを負ったことを証明するために、けがをした場所の写真、けがの医療評価、目撃者情報などの証拠収集が必要となり、これらは重要な証拠となります。また、訴訟を起こすには、厳密な時間制限もあります。もしも、歩道で滑り転倒しけがを負った場合、できるだけすぐに弁護士に相談されることをおすすめします。手腕のある弁護士であれば、必要な事項をまとめその訴訟は成功するでしょう。


Steven W. Epstein & Assosiates法律事務所

Steven W. Epstein スティーブン・エプステイン弁護士
ブランディーズ大学、ニューヨーク・ロースクール卒。18歳から法律事務所で働き始め、2003年まで弁護士組合員として幅広い分野の訴訟を担当。04年に独立し、「Steven W. Epstein & Assosiates法律事務所」を設立した。取扱い業務は、民事訴訟、会社法(設立、契約)、家庭法(離婚)、刑事訴訟など、多岐に渡る。また、NY市行政裁判所にて非常勤審判官も務めている。

【住所】 マンハッタン:207 E 94th St, Suite 303, NY 10128
スタテンアイランド:361 Victory Blvd, SI
【電話】 212-729-9164(日本語)/212-422-2110(英語)
【Eメール】epsteinlaw@yahoo.com