レイプの加害者として抗議の的となったコロンビア大学の男子学生が23日、嫌がらせからの保護を怠ったとして、大学と評議委員会、学長、教授らを相手取り、マンハッタン区連邦裁判所に損害賠償を求める訴えを起こした。
同大学でビジュアルアーツを学ぶ4年生のエマ・サルコビッチさんは2013年、原告のドイツ人留学生ポール・ナンゲッサーさんに放課後、寮でレイプされたと懲罰委員会に報告した。しかし、学校からの協力を得られず警察も不起訴としたため、昨年、22人のレイプ被害者女子学生と共に大学を訴えた。その後、大学の態度は一変し、同大学のウェブサイトではレイプが事実であったように発表し、サルコビッチさんは再三にわたり公然と原告のことを「連続レイプ犯」と呼び始めた。
サルコビッチさんは、卒業制作の一環として、レイプへの抗議を意味するマットレスを教室や図書館などに持ち込むことを許可され、教授から単位を受けたが、卒業式にもマットレスを持ち込み、原告やその家族が卒業式へ参加することを阻止すると誓っている。
原告は、大学で毎日続くサルコビッチさんのマットレスでの抗議のせいで、「日常生活が耐えがたく精神的に疲れた」と主張している。また、マットレスでの抗議について35カ国のメディアで報道されて以来、大学での行事に参加する度に、他の生徒らから脅迫的な扱いを受けたという。