刑務所の食事にねずみ駆除用の殺鼠剤が混入されていたため体調を崩したとして、ライカーズ刑務所の受刑囚がニューヨーク市矯正局を訴えていた事件で、食事として提供されたミートローフを検査した結果、殺鼠剤の混入が確認されたことが明らかになった。先月28日付のデイリーニュース紙が伝えた。
同刑務所内アナ・M・クロス刑務所で3月3日、受刑囚がミートローフを食べた後、吐き気や嘔吐、下痢、出血などの症状を訴えたが、適切な治療を受けさせてもらえなかったとして、19人の受刑囚が同局を相手取り、ブルックリン区の連邦裁判所に提訴した。ニュージャージ州のEMNSアナリティカル社が、原告の1人、レジナルド・デュプリー受刑囚が保管していたミートローフを分析したところ、殺鼠剤のブロディファコウムが検出されたという。プロディファコウムとは本来、抗凝血剤であるが、フィナーレやハボック、ペストオフなどの名称でねずみ駆除用に販売されている。
事件に詳しい市関係者は、「市による分析も確認もされていないのに、原告が提出したサンプルの検査結果で結論を出すのは時期尚早である」と語っている。同局は現在、事件について捜査中で、EMNSとは別の機関にミートローフの検査を依頼している。