2013年に始まったニューヨーク市の自転車シェアプログラム「シティバイク」は、現在様々な問題が露呈し資金難に陥っている。プログラムの見直しを迫られ救世主としてして昨年10月に迎えられたのが、ニューヨーク州の都市交通局(MTA)局長を務めた経歴を持つジェイ・ワルダー氏(56)だ。
同氏がCEOとして着任したモティベート社は、ニューヨーク市以外にも9つの都市で自転車シェアプログラムを展開しているが、目前の課題はもちろんシティバイクを立て直し、利益を生み出すプログラムへの転換を図ること。
ニューヨーク市の調査により洗い出された同プログラムの問題点は、欠陥だらけのソフトウエア及び自転車ステーションの不具合、自転車とステーションの定期点検が円滑に行われなかったこと、さらに整備レベルの低さなどあらゆる箇所で指摘されている。
ワルダー氏は就任以降、精力的に仕事を進めており、利用者の利便性を重視した新しいソフトウエアは近々インストールされる予定だという。またステーションに関しては既に整備を進めており、これまでに90カ所でソフトウエアのアップデートが完了している。
一方自転車については、これまでに4200台の整備を済ませ、残りは1800台としているが、同市は使用頻度が一日平均8.3回と世界でもっとも自転車が使用されており、タイヤやシート、ブレーキなど多岐にわたる整備が日々行われている。
同氏は夏のハイシーズンに向けソフトウエアのアップデートや設備の点検整備を進めており、「すべてが完了すれば利用者の増加と増収が期待できるだろう」と話している。