日本でその年に生まれた多種多様な言葉の中から、広く大衆に親しまれた新語・流行語を選ぶ毎年恒例の新語・流行語大賞で、去年見事トップテンにランクインして話題となった「壁ドン」。日本にはイケメンが壁ドンをしてくれるサービス付きのカフェがあり、〝本日の壁ドンレシピ〟「ツンデレ壁ドン」「告白壁ドン」「幼馴染壁ドン」などの中から好きなシーンをセレクトして体験できるという。
そしてポスト「壁ドン」として、定着してきたのが〝アゴクイ(顎クイ)〟。これは男性が女性のアゴをクイっと持ち上げ、至近距離で目を合わせるシーンのこと。顔を持ち上げる時に、何本の指を使うかなど技も色々とあるようだ。ことの始まりは、ある雑誌のファッションモデルがアゴを持ち上げられた写真をネットに投稿し、「顎クイ」と名付けたことで浸透していった。ドラマやアニメではお馴染みのシーンだが、現実世界では、「壁ドン」も「顎クイ」も体験したことがない人がほとんどの夢のシーンだとある日本在住の腐女子(男性同士の恋愛を扱った小説や漫画などを好む女性のこと)はいい、「でもね、現実にならないから良いんですよ〜」「本当にやられたらムカつくかも」と言う。一方で、〝大人〟の女性には顎クイ志願者が多くいるという声もあるようだ。
春めいてきたある金曜日の夕方、マンハッタンからクイーンズへ向かう地下鉄のN線で「リアル顎クイ」を目撃! その〝顎クイカップル〟は、人目もはばからず〝クイクイ×2〟していた。「顎クイ」は現実がいいのか幻想だからいいのかは賛否両論だが、〝心トキメクお相手〟にされる分には誰も文句はないだろう。顎クイが現実の出来事になるニューヨークから、ジャパニーズガールズの心を鷲掴みにする流行語を発信したら来年の流行語大賞を獲得するのも夢じゃない?