NYUの生徒、北朝鮮で逮捕される 不法入国の容疑で

 北朝鮮当局は2日、ニューヨーク大学(NYU)に在籍する韓国人学生を、不法入国の容疑で逮捕したと発表した。北朝鮮中央通信によると、米国永住権を所持する韓国人学生ジュ・ウォンムンさん(21)は4月22日、中国丹東から、北朝鮮と中国の国境を流れる鴨緑江を渡って、北朝鮮に不法に入国したところを拘束された。ジュさんは、不法入国の罪を認めているという。
 ニューヨーク・タイムズによると、NYU広報担当官ジョン・ベックマン氏は会見で、ニュージャージー州に住む同学生はNYUの経営大学院スターンスクールの3年生で、今学期は授業を受けておらず、大学側は旅行について知らされていなかったとし、国務省および大韓民国大使館と連絡を取り合っているという。
 北朝鮮は近年、同国と中国との国境付近で活動をしていた者または援助活動や布教活動のために同国を訪れていた者ら数人を拘束し、スパイ活動の罪で起訴している。今年3月には、大韓民国諜報部のために、軍事機密を収集し、政治宣伝や政府転覆を目的とした宗教的資料を同国に持ち込んだとして、韓国人2人をスパイ活動の容疑で逮捕している。
 昨年には、キリスト教バプテスト派の布教者をスパイ活動の罪で強制労働収容所での終身刑に処している。韓国政府は、これらの容疑は事実無根であるとして、拘束者らの釈放を求めている。

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