特別授業で平和への理解 ニューヨーク育英学園

 ニューヨーク育英学園全日制部門では4月27日、小学部全児童を対象としたヒロシマ被爆者やその関係者(東京都被爆者団体協議会)から当時の様子や核兵器についての話を聞く「被爆者証言の会」が行われた。同30日にはナガサキ・ユース代表団を招いて小学部5・6年生を対象とした平和についての「特別授業」が実施された。
 両団体とも4月下旬〜5月上旬にかけて、ニューヨークの国連本部で行われた核兵器不拡散条約再検討会議(NPT)に参加するために日本から渡米していた。
 27日の「被爆者証の会」では3歳で被爆した東京都被爆者団体協議会・事務局長の家島昌志さん、同団体の相談窓口である村田未知子さん、父親が広島で被爆した平山雪野さんの3名が当時の被害の惨状や現在も抱えている問題点、核兵器廃絶へ向けての活動などについて語った。子どもたちからは「被爆地から無事に逃げ切れたのか」「投下された時どんな音がしたのか」などの質問があり、会の最後には平和への願いを込めた「おり鶴」が同団体より子どもたち一人ひとりに送られた。
 30日のナガサキ・ユース団による特別授業では、長崎大学教育学部初等教育科3年生・溝越史恭さんが「相互理解」についての授業を行った。「他者との違いを理解し、それを受け入れることによって平和で皆が安心して暮らせる世界を築く」という狙いのもと授業は進められ、子どもたちは自分の考えや周りにいる友達の考え、気づきなどの理解を深めた。

真剣に話しに聞き入る子どもたち