不法移民の子どもに学歴を CUNYが300万ドル寄付

 ニューヨーク市立大学(CUNY)と2人の資産家が5日、CUNYグラデュエイトセンターで会見を開き、不法移民の子どもたちのための奨学金制度に3000万ドルを寄付すると発表した。
 デイリー・ニュースによると同大学は昨年、在留合法化プログラムにより一時的な法的身分の取得または申請を済ませた不法滞在移民の学生に奨学金を与えるため、全米奨学基金、ザ・ドリームUSファンデーションと提携したが、同日、同基金の設立者およびワシントンポスト紙元オーナーのドナルド・グラハム氏、ヘッジファンドの経営者ビル・アックマン氏(48)が合計3000万ドルを同奨学金制度に寄付すると発表した。制度の奨学金受給者のうち200人以上が同大学に通う。
 CUNYの総長ジェイムス・ミリケン氏は昨年夏、同大学で奨学金を受給している学生がわずか30人しかいないことを知り、同大学の学生を優先的に扱った。これにより、同大学の奨学金受給者の数は7倍以上に増加。奨学金の金額は、1人最高2万5000ドルで、学費、教材費、交通費などに充てるために4年間支給される。
 学生の中には学費を賄うため、働きながら大学へ通う者も多く、奨学金制度のおかげで仕事をしなくても済むといった喜びの声が上がっているという。