人気メキシカンレストランチェーンのチポレが4月27日、「遺伝子組み換え食品(GMO)を今後一切使用しない」と発表した。
メトロ・ニュースによると食の安全が叫ばれ、オーガニック食品やパレオダイエット(旧石器時代の食事法を再現したダイエット法)が流行する現在、GMOに否定的な意見はその流れに沿ったものだとみられる。
新鮮で持続可能な食品のみを材料としたメニューを提供することで人気のチポレが今回GMOの不使用を宣言したことで、その影響は小さくないと予想される。ただし同社のCEOスティーブ・エルス氏は、GMOの危険性は未だ科学的に証明されていないことを踏まえ、「あくまでも予防策だ」としている。
GMOはこれまで農作物の抱える様々な問題を解決してきた。痩せた土地でも育つよう遺伝子を組み換えた農作物は、害虫や病気にも強く、栄養分も強化されている。ある調査では、科学者の88%がGMOは安全だと答えており、飼料の大部分にGMOを使用している家畜にもこれまでのところ健康上、また生殖機能上の問題はないとされている。
しかし、それでもGMOに反対する声は大きく、科学ジャーナルのEMBOレポートは「失明や小児の死につながるビタミンA不足を解決するため作られたベータカロチン増強米が、過度な規制のため流通が禁止された」と伝えている。
GMOの第一号はグリフォセート除草剤に耐性を持つ大豆で、以降GMOの栽培にグリフォセートが使用されていることは事実だが、近年このグリフォセートに「発がん性の可能性がある」とされたため、GMOに対する不安が一気に広まったようだ。