ニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ市長は7日、783億ドル(およそ9.4兆円)となる2016年度予算案を発表した。
エーエム・ニューヨークによると不安定な経済に備えるため、一般準備金を年間10億ドルに増加、退職者用健康保険補助を26億ドルに増額、インフラ計画と負債の返済のための資本安定準備金に5億ドル、ライカーズ刑務所での受刑囚暴力抑制に3640万ドル、NYPDの発砲検知システム(ショットスポッター)の導入に180万ドル、歩行者の交通事故削減計画に520万ドルが充てられる。
支出計画は、市長が2月に発表した暫定予算案の777億ドル、また今会計年度で承認された予算750億ドルよりも増加している。だが、市議会が求めていた市警察の警官を1000人増員するための予算は盛り込まれておらず、市議会議員の間では失望の声が聞かれた。市長はこれについて、「現在の人員だけで十分な対応ができている自信がある。NYPDは、常に良くなっている」と市庁舎に集まった記者団の前で語った。
市長はこれ以外にも、市議会が求めていた、市の公立学校の全生徒への無料の朝食と昼食、年間を通した若年層雇用制度、軽犯罪者のための保釈金援助についても除外した。市長は今後、市議会との交渉を行い、新会計年度が始まる7月1日の前日までに、予算に関する合意に達する必要がある。