自動車、テレビ、コンピューター―。人類が昔夢見た〝未来〟は時間をかけて着実に現実となる。最近もっとも注目を集めている、〝実現した未来〟のひとつが、3Dプリント。この技術により、盲目の母が産まれる前の自身の赤ちゃんを見ることができたという心温まるニュースが伝えられ、全米でも話題となった。
ユーチューブに投稿された映像では、妊婦であるタチアナ・グエラさんがブラジルのクリニックで妊娠20週目の超音波検査を受けており、赤ちゃんが今どのような姿であるかを説明されている様子が映し出されている。17歳で視力を失い、現在30歳のグエラさんは医師から、胎児である息子の姿が3Dでプリントアウトされた板を渡される。最初に、その板の上に施された「私はあなたの息子」という点字に指を走らせた。それからグエラさんは喜びで涙を流し、超音波を頼りに作られた「ムリロ」と名付ける予定である息子の顔を愛情を込めてなぞり、指から伝わる感触だけで顔を理解した。「生まれる前に息子に会えて嬉しい」とグエラさん。
米メディアのセント(CNET)によると、このユーチューブのビデオクリップはオムツ会社のハギーズ(Huggies)のブラジル支社によって制作されたもので、『Huggies Presents: Meeting Murilo』と題されている。動画は「Every mom deserves to embrace each moment(すべての母親はその瞬間と出会うべきだ)」というキャンペーンの一部で、先月投稿され、 現在ではなんと900万回以上視聴されている。
米国ではこれまで、3Dプリントによりアヒルや犬の義足を製作したことも話題となっており、新たに生み出されたこの技術が様々な場面で活躍している。
※参考:www.cnet.com/news/watch-emotional-moment-3d-printing-lets-blind-mom-to-be-see-her-unborn-son/