仕事や勉強の合間に一息つきたい時、甘いものが食べたくなる人も多いのでは。甘いものが好きで机の引き出しの中にチョコレートを常備している人に耳寄りな話。このほどアリゾナ大学の研究チームが行った研究によると、チョコレートに「集中力を高める効果」があることがわかったという。
NeuroRegulation誌に発表された同研究には、チョコレートによる健康効果と共に、〝新たに考案されたチョコレートのレシピ〟を用いると、血圧を下げる作用もあると記されている。研究チームのリーダーで、ノーザンアリゾナ大学でフィジカルサイエンスを教えるラリー・スティーブンス氏は、チョコレートは刺激物であり、その力が持つ特別な方法で脳を活性化させる、と発表している。
この実験は北米最大手のチョコレート会社、ハーシーの協力を得て行われたもので、結果、ダークチョコレートを摂取した被験者の集中力が持続する時間が長くなった。また、通常チョコレートが燃焼された後はすぐに短時間血圧が上がるが、新レシピの〝Lシアニン(アミノ酸の一種)を加えたチョコレート〟では違い、血圧を下げる効果と共に脳派の安定もみられたという。
「一般的にチョコレートが血圧を上げ、Lシアニンが血圧を下げるなら、おそらく後者が短時間の血圧上昇を妨害するのでは」とスティーブンス氏。カカオの割合が多くLシアニンを含んだチョコレートは、心臓にも良いとされ、血圧を下げ、そして集中力を高める可能性があるという優れもののようだ。
チョコレートに含まれるフラボノイドや抗酸化作用が体に良いことは既に知られており、Lシアニンは心循環系の機能向上にも良いという。いいことづくしの〝Lシアニン・ダークチョコレート〟。今後のさらなる研究で商品化される日も近いのでは。
私たち消費者はまず、手っ取り早い方法として、カカオ60%のチョコレートを食べて集中力アップを図ってみよう。