クイーンズ区のニューヨーク州高位裁判所は20日、見ず知らずの男性を地下鉄の線路に突き落として殺害し、第1級殺人罪に問われていた女に、24年間の実刑と刑期終了後5年間の保護観察に処する判決を下した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、同区に住むエリカ・メネンデス元被告(33)は2012年12月、地下鉄7番線サニーサイド駅のプラットホームで、サナンド・センさん(当時46)を線路に突き落とし殺害した疑いで起訴されていた。元被告は3月の罪状認否で、罪を認めていた。
地方検事長のリチャード・ブラウン氏によると元被告は、インドからの移民でヒンドゥー教徒だったセンさんをイスラム教徒だと思い込んで殺害に及んだものとみられている。センさんは殺害当時、ニューヨーク大学で博士号の候補だったという。
地方検事補ピーター・ロンプ氏は、「検事局に勤務して22年間になるが、これほど恐ろしい犯罪はない。被害者は殺害された1人だけではなく、地下鉄の利用者全員を恐怖に陥れた」として、最長刑にあたる25年間の実刑を裁判所に求めていた。元被告には2000年~12年の間に9回の逮捕歴があり、医師からは総合失調症との診断を受けていた。