最近行われた調査によると、12歳以下の子どもの自殺率が白人の間では減少傾向にある一方、黒人の間では増加傾向にあることが分かったと20日、エーエム・ニューヨークが伝えた。
1993年〜2012年までの米国における子どもの自殺率を見ると、合計で657人が自らの命を絶っており、平均的に1年に33人が自殺している。このうち84%は男子で、首つりと窒息死がもっとも多かった。また、ここ20年間の自殺率は全体的に横ばい状態で、100万人に1人という結果が出た。
今回の調査を行った全米子ども病院調査機関のジェフリー・A・ブリッジ氏は「今まで白人の方が黒人よりも自殺率が高い傾向があるとされてきた」と話しているが、過去20年の間、白人少年の自殺率が100万人に2人から1.3人に下がった一方で、黒人少年の自殺率は100万人に1.8人から3.5人に上昇した。
この黒人少年にみられる増加率の主な原因としてブリッジ氏は、「暴力やトラウマ経験から来るストレス、および白人少年に比べ精神的ケアを受けられていない現状」を挙げている。その他にも自殺率調査は黒人コミュニティーで行われることが多いのも影響しているのではないかと考えられており、人種間での自殺率の差の原因は特定されていないが、「子どもたちの中には自殺を考えるほど追い込まれている子もいることに気づくべき」としている。