アメリカの不動産王と称される実業家、ドナルド・トランプ氏がドメイン名の権利を巡り争っていた仲裁の判断が22日に確定し、ドメイン名は同氏のものとなった。
ニューヨーク・ポストによると、ドメイン名の販売、検索エンジンの最適化、広告業などの業務に携わる元ニューヨーク市在住のスコット・スティーブンスさんは、ドメイン名「TrumpEstates.com」を登録し、イーベイで2100万ドルで売りに出したが、トランプ氏の代理人弁護士から停止を求める警告状を受け取ったという。
スティーブンスさんは、ドメイン名をトランプ氏に譲渡するのと引き換えに、トランプ氏が出演する人気テレビ番組「ザ・アプレンティス」に競争者として出演させることなどを条件に提示したため、紛争は仲裁に委ねられた。
仲裁人のW・スコット・ブラックマー氏は、スティーブンスさんは、トランプ氏が所有する企業が保有する商標とまったく同じドメイン名から不正に利益を得ようとし、「ドメイン名を売買する商売は合法ではあるが、既存の商標と同一、あるいは酷使したものを使用する権利が付与されるわけではない」と、ドメイン名をトランプ氏に無償で譲渡するべきとの判断を下した。
トランプ氏は、ドバイに「トランプ・エステイツ」という名称の高級集合住宅を建設するため、同ドメイン名の使用権利を必要としていた。