他人のインスタ写真で展示会 無断使用の芸術家に異論

 インスタグラムに投稿された他人の写真を無断で自分の“芸術作品”として展示、販売することに対し波紋が広がっているとこのほど、各メディアが報じた。
 問題となっているのは、自称芸術家のリチャード・プリンスさんによる展示会「ニュー・ポートレーツ(新しい自画像)」。今月14〜17日にランドールズ島で行われたフリーズ・アート・フェアで展示および販売された。展示作品はどれも他人のインスタグラム写真をプリンスさんが撮影者および投稿者の許可なく再撮影したものに短いキャプションが付けられたもので、これに対し著作権侵害が問われている。1970年から活動しているというプリンスさんは他人の作品を盗作し、自身の作品として展示することで知られており、中には10万ドルで売られている作品もあるという。
 展示作品の中にはシンガー・ソングライター、スカイ・フェレイラさんの写真もあり、スポーツカーの助手席に座る彼女が「リチャード、今日のドライブ楽しかったわ」とまるでプリンスさんに語りかけるかのように書き添えられている。また、人気メイクアップ・アーティストのドー・ディアーさんは「私の写真が無断で展示されており既に9万ドルで売られたと聞いているが、私は許可をしていない」とコメントしている。
 プリンスさんは過去にも著作権侵害で訴えられているが、インスタグラムに投稿された写真に著作権は無いとのことで勝訴している。