歩道を修復する責任は誰にあるのでしょうか? ニューヨーク市議会は2003年に、市行政コード§7―210を制定しました。この法律により、欠陥のある歩道による賠償責任は、市から歩道に面した建物の所有者に変更されました。これは、その所有地が空き地、住宅、または商業超高層ビルであるかどうかは関係ありません。それらの所有者は、歩道に装置などを取り付けたり、構築、再構築、歩道の修繕など、歩道の欠陥を修復する責任があります。歩道の欠陥とは、歩道が盛り上がっていたり、亀裂が入っていたり、穴や欠落した箇所があったり、歩道にある瓦礫、もろいレンガやコンクリート、また、雪や氷などにより歩道が滑りやすい状態などが挙げられます。
§7―210において歩道の修復責任、または賠償責任は、歩道に面した建物の所有者にあると先に述べましたが、例外があります。
1〜3つの居住用不動産で構成されており所有者が住み、事務所や店舗、レストランなどの商業的な要素が含まれていない建物においては、市が責任を負います。これは、歩道の補修管理を怠っている、歩道を横切るようにして車道を使用している、マンホールの蓋や歩道沿いにある地下階への入り口用の平たい金属製の扉が歩道の高さと同じではないために靴のヒールや杖などが引っ掛かるなど、土地の所有者の管理不足により事故を引き起こした場合も含まれます。市が所有する建物、公園などにある歩道に関しては、市に歩道を修復し保全する責任があります。
市へ自身の権利を主張するには、厳密な時間制限があり、その期間内で裁判所に提起する必要があります。例えば、保全責任のある所有者が、歩道が危険な状態であった、あるいは危険な状態になりつつあったことを、認識していたかどうかの質問を受ける場合もあります。また、歩道の欠陥は小規模なものであり危険だと認知されていなかった、負傷者は事故を回避可能であったか、などの質問があるかもしれません。けがを負った歩道の所有者、または管理者は誰かのような質問もあるかもしれません。誰に訴訟を行うべきかを決定し、そして被告の訴訟が成功するかどうか、これらの質問のすべてが考慮され、調査されます。
もし、歩道の欠陥によりけがを負った場合は、ご自身の権利を守るためにも、できるだけ早く弁護士にご相談されることをお勧めします。
Steven W. Epstein スティーブン・エプステイン弁護士
ブランディーズ大学、ニューヨーク・ロースクール卒。18歳から法律事務所で働き始め、2003年まで弁護士組合員として幅広い分野の訴訟を担当。04年に独立し、「Steven W. Epstein & Assosiates法律事務所」を設立した。取扱い業務は、民事訴訟、会社法(設立、契約)、家庭法(離婚)、刑事訴訟など、多岐に渡る。また、NY市行政裁判所にて非常勤審判官も務めている。
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