老医師夫婦が薬を闇販売 7700万ドル相当の鎮痛剤

 アッパーウエストサイドの医師とその妻が、薬物常習者が好むとして街中に出回っている鎮痛剤を闇市場に販売していた罪で9日、逮捕された。
 ロジェリオ・ルーカス容疑者(77)と妻のリディア・ルーカス容疑者(80)は2009年から、医院のマネージャーと共に7700万ドル(約94億9000万円)相当の鎮痛剤「オキシコドン」の処方箋を違法に販売していた疑いがもたれている。同容疑者の医院は当初、低所得者向け公的医療制度メディケイドの利用者を対象とした家庭医療を専門としていたが、09年からオキシコドンの処方を始め、リディア容疑者が1件につき約120ドルの現金を受け取っていたとされている。
 両容疑者は9日午前、西95丁目のアパートで逮捕され、37件の規制薬物違法販売の罪で起訴されたが無罪を主張しており、50万ドルの保釈金で勾留されているという。
 地方検事補のライアン・サカクス氏は罪状認否で、「リディア容疑者が首謀者だった」と主張している。09年1月2日以降、両容疑者は複数の銀行へ約50万ドルの現金を入金している。また、両被告が所有するウエストチェスターの別宅では、60万ドル以上の現金も発見された。
 裁判で担当検察官は、「治療するどころか、市民の健康と福祉を危険にさらし、地域に薬物依存をまん延させた」と同容疑者らの行為を非難した。

photo: stevepb