危険な電力配給装置を使用 建築作業員落下事故で

 ミッドタウンにある建設中のビルで先月起きた建築作業員落下事故で、死亡した作業員が乗っていたエレベーターに不適切で危険な状態の電力配給装置が使われていたことが明らかになった。
 先月5日、建設中の31階建てのビルのエレベーターに乗っていたクリスチャン・ジネシさん(当時25)は、エレベーターのドアを取り付ける作業をしている際に突然エレベーターが停止したために足を滑らせ、24階部分から落下し死亡した。ジネシさんと共にエレベーターに乗っていた別の作業員は、下層階でエレベーターから飛び降り助かったという。ニューヨーク市建設局の捜査により、電力配給装置は無許可で危険な状態にあったことが判明した。
 ニューヨーク市は、同ビルを所有するスペイン系ホテルチェーン「リウ・ホテル」の系列会社オーナーズ有限責任会社を、不適切な電力配給装置を使用したとして違反処分とした。また工事を担当していたニュージャージー州の総合建設請負業者リナルディ・コンストラクションおよび下請けのエレベーター設置会社ジーテク・アソシエーションを安全基準違反処分とした。
 15日付のデイリー・ニュースによると、事故後エレベーターは使用停止となっていたが、適切な電力配給装置の使用を条件に市は先週、エレベーターの再起動を許可したという。
 ジネシさんは勲章を授与された空軍の退役軍人で、アフガニスタン駐留経験を持っていた。

photo: Alvimann