米財務省は17日、2020年発行予定の新10ドル札に女性の肖像画を採用すると発表した。
2020年は、女性の参政権が認められて100周年にあたる記念すべき年。誰が起用されるかは今夏終わりごろに決定されるという。1世紀以上の間、紙幣の肖像画に女性が起用されたことはなく、今回の発表に各方面からは喜びの声が上がっている。
最後に女性の肖像画が使用されたのは、1891年〜96年まで流通した1ドル銀証券(銀と交換できる旧銀行券)で、採用されたのは米国の初代大統領ジョージ・ワシントンの夫人マーサ・ワシントンだった。
紙幣に女性の肖像画の起用を求める声は、これまでに多方面から上がっていた。また複数の団体が、起用を求める具体的な運動を行っており、ある団体のウェブサイトで行った投票では60万人以上が投票し、起用すべき女性1位に選ばれたのは奴隷開放運動に従事したハリエット・タブマンだったという。その他、黒人解放運動の活動家ローザ・パークスの名前が挙がっている。
現在10ドル紙幣には、初代財務長官アレクサンダー・ハミルトンが使用されており、現在の財務長官は「新10ドル札のどこかにハミルトンの肖像画も残したい」と話している。