卵の価格高騰対策は急務 上院議員、予算削減の再考を訴え 

 ニューヨーク州選出のチャック・シューマー上院議員は21日、鳥インフルエンザの発生により国内で卵の価格が高騰していることを受け、農務省に対し約5億ドル(およそ615億円)の予算削減を再考するよう議会に訴えていることを会見で明らかにした。
 ニューヨーク市内では現在、卵1ダースが平均4.08ドルまで値上がりしており、シューマー議員は同予算が今年10月から実施された場合、卵の値段を抑えるための対策が困難だとしている。
 農務省では鳥インフルエンザ対策として、有効なワクチンの開発や、養鶏農家に対し病気の伝染防止を支援する法案を成立させるため、この5億ドルの予算は必要だと訴えている。
 鳥インフルエンザは今春、米中西部の農家の鶏や七面鳥に感染が見つかり、これまでに国内で4800万羽が病死、もしくは殺処分されている。新たな感染の報告数は大幅に減少したものの、アイオワ州で先週、100万個産卵規模の養鶏農家で陽性反応が出たと発表された。
 農務省は今年度の卵生産量が、昨年度より5.3%減少すると予測している。米中西部では卵1ダースの値段が、4月中旬〜5月末の時点で120%値上がりし平均2.62ドルとなっている他、業務用の卵は2倍以上に値上がりした地域もあるという。

photo: Abdecoral