ニューヨーク市の会計監査官トーマス・ディナポリ氏が25日に発表した報告書によると、アッパーマンハッタンでは人口や雇用の増加はしているものの、失業率は高いままだという。
マンハッタン区ワシントンハイツとインウッドでは、2010年〜13年の間に人口が6%増加し、史上最多の21万8500人を記録した。雇用増加や企業成長においては市内の他の地区をしのぐ勢いではあるが、失業率は他と比較して高く、平均賃金は低いままだという。
13年の同地区の雇用は3.3%増と市で最大の伸びを見せており、14年には地域に2万8670件の雇用を生みだしている。また、ワシントンハイツとインウッドの企業数は、09年〜13年の間に小企業を中心に10.3%増加している。同時期の市全体での増加率は6.7%だった。
一方、13年の同地区での失業率は市全体の失業率より4%高い13.6%で、同地区の民間企業従業員の平均年収が5万4640ドル(約670万円)なのに対し、同地区住民全体での平均年収は3万4260ドル(約420万円)と低い。
ワシントンハイツとインウッドでは住宅問題も深刻で、13年に住宅費用が世帯収入の30%以上を占める世帯が全体の40%もあった。また報告書には、同両地域でのより良い交通網と教育機関の必要性が示されている。