アイナ法律事務所 移民法のあれこれ 最終回 最新移民法情報 毎月第1水曜号掲載

 6月26日に、歴史的な判決が米国最高裁判所より下されました。同性婚が米国憲法上で認められる権利であるという判決が言い渡されましたが、最高裁判所判事9人のうち5人がこの判断を支持しました。この判決により、全米で同性婚が認められることになり、同性婚を禁じている州法は憲法に反することとなります。
 米国では、連邦結婚防御法(DOMA)を違憲とする2013年の最高裁判所の判決を機に、結婚を人権問題として捉え同性婚を合法化しようという社会的な流れが強まりました。今回は、それら米国社会の声を受け止めた形の判決となりました。オバマ大統領も「平等実現への大きな一歩」と喜びを表明しています。これにより、同性カップルの平等な権利や自由が拒否されることはなくなります。また、外国人の同性パートナーのために永住権申請を希望する米国市民や永住権保持者にとっても、大変重要な判決となりました。ニューヨーク州ではこれまでも同性婚を認めていましたが、今回の判決によって、過去に同性婚をベースに永住権を入手されたカップルの権利も覆されることはありません。
 また、最近では「卓越した能力を有する」者に発行されるアーティストビザ(Oビザ)に関しても変化が見られています。Oビザは従来、科学、芸術、ビジネスやスポーツの分野で優れた能力がある人が申請する非移民ビザです。同ビザの申請には、米国の団体やエージェントのスポンサー、同業界で活躍している人からの推薦状が必要となります。また、同ビザの保持者は、グリーンカード(永住権)を申請することも可能です。
 ニューヨークには多くのアーティストが滞在しています。これまでは、高い知名度を持つ歌手やタレント、科学者やスポーツ選手などがこのビザを取得してきました。最近では、それ以外にネイルやタトゥーアーティストなど、さまざまな専門分野で活躍しているプロフェッショナルも同ビザを取得するようになっています。ただし申請をするには、国内外で著名な賞を受賞してきたこと、これまでの業績について国内外のメディアや出版物で取り上げられていること、その専門分野でのコンテストや大会で賞を受賞していたり、審査員や専門家として活躍していること、さらにその専門分野で高額な報酬や給料を得ていることなどを、証明する必要があります。
 さて今回を持ちまして、この
コラムも最終回となります。今までご愛読くださいまして、本当にありがとうございました。引き続き当社のフェイスブック及びツイッターにて最新移民法情報を発信してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



ミチコ・グレース・ノーウィッキ
アイナ法律事務所(‘Aina Law Office)

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