Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.54 脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう)

脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう)
 背骨は頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、計24個の骨が、土台となっている骨盤(仙骨1個、ちょう骨2個)に乗っています。正面から見ると真っ直ぐに、そして横から見るとS字のカーブがある状態が正常です。頚椎(首の骨)は緩やかにCラインを保ち、胸椎(背中の骨)は緩やかに逆Cカーブ、腰椎(腰の骨)は首と同じようにCラインのカーブを保つことで、いわゆる背骨のS字カーブが描かれていて、これが理想の背骨です。しかし、これが遺伝的要素、またはけがや転落などが原因で不自然に背骨が湾曲していく状態が脊柱側弯症です。遺伝的要素の場合の脊柱側弯症はだいたい7〜14歳くらいまでの発症率が高く、ホルモンの変化と共に女児に発症する場合が多いことが特徴です。また、幼少のころのけがや転落がもとで骨盤や背骨がずれたまま放置して、数年後に家族が背骨の歪みに気が付く場合があります。どちらの場合にしてもカイロプラクターは特別な訓練と教育を受けているため、脊柱側弯症を治療していくことができます。
 ここで、親が観察できるいくつかのポイントを挙げます。
・背中の一部が大きく出っ張っている
・片方の肩が傾いている、肩の位置が違いすぎる
・ウエストのくびれ方が違う
・肩甲骨の位置が違う、片側だけ羽のように突き出ている
・服の裾の位置がずれている
・前屈をした際、あばら骨や腰の部分が片側だけ盛り上がる
以上を観察して、異常があった場合は早めにカイロプラクターに診察してもらうことをおすすめします。早期治療が、回復の万全策です。
 10代の若者の1割は脊柱側弯症があると言われていますが、この症状を早期に見極めることは非常に困難な場合もあり、症状が出始めてから親が気が付くまでに数年かかることもあります。カイロプラクティックでは細かい背骨の検査や関節のそれぞれの可動域を調べながら、また必要な場合は画像診断(レントゲン)などで初期の段階を誰よりも早く見つけることができます。さらに、小さな子どもが特に事故やけがもないのに、首や背中、腰や胸などの痛みを繰り返し訴えている場合も脊柱側弯症の兆候です。子どもはその日痛いと感じても、一晩寝て体が休まると、次の日には痛みを感じなくなっている場合が多く、そうすると親も真剣にその子どもの痛みを捉えられません。同じような痛みを繰り返し子どもが訴える場合は、真剣にその子どもの痛みや不快感と向き合ってあげることも立派な親の役目です。カイロプラクターは背骨の配列に関して豊富な知識を持ち、少しでも脊柱側弯症の兆候があれば気付くことができます。もしお子さんに脊柱側弯症の疑いがあれば、カイロプラクターのもとへ背骨の検査に訪れてください。


Dr. 石谷三佳
石谷カイロプラクティッククリニック院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

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