自分の弁護士を暴行 少年殺しで不起訴の男

 ニューヨーク州高位裁判所で1日午後、少年を刺殺した罪に問われていた男が、自身の弁護を担当していた弁護士を殴る事件が起きた。
 アレハンドロ・モラレス被告(31)は、陪審団がモラレス被告の心神喪失を理由に不起訴処分の判断を下した数分後、被告人弁護士フレデリック・ソシンスキー氏の顔面を殴り暴れ出したという。
 ソシンスキー氏によると、モラレス被告はすぐには釈放されないと聞いた途端、暴行に及んだという。被告は2010年1月2日午前3時半ごろ、アッパーウエストサイドの母親のアパートで、母親の恋人の甥アンソニー・マルドネイド君(当時9)を刺殺し、逃走。モラレス被告は当時、暴行罪で有罪判決を受け保護観察中で、妄想型の総合失調症の診断を下され、抗精神病薬を服用していた。
 裁判で検事は、モラレス被告が妄想状態にあったとしても善悪の区別はついたはずだとし、犯行後に凶器のナイフを隠し、警察には強盗の被害にあったと嘘をついていた事実を挙げ、悪いことをしたという認識はあったはずだとしている。一方、被告側の証人である精神科医は、被告が総合失調症を患い入退院を繰り返していたこと、犯行直前の数日間は妄想状態にあったことを証言していた。
 モラレス被告は、精神病院に収容されるか否かが確定される今月29日の聴聞会まで身柄を拘束される。