MOCU-MOCU（モクモク）

07/10/2015

　カジュアルで居心地が良い、まるで日本の〝喫茶店〟のようなカフェレストラン「MOCU-MOCU」。日本食と洋食の良いところをバランス良く組み合わせ、目にも鮮やかなヘルシーでおいしい食事を提供する同店は、今までニューヨークにありそうでなかった、新しいタイプのレストラン。

ナチュラルで、ほっとする日本の味をＮＹで

　ヘルズキッチン10番街の50と51丁目の間にある木目壁の新しい店の前では、通りかかる人々が立ち止まり、珍しそうにメニューをじっと眺めている。その光景から、同店で提供される品が、ニューヨーカーにとってまだ目新しいということがうかがえる。ロンドンでビジネスを学んだ姉の朋美さんと、ニューヨークでデザインを学んだ妹の純さん姉妹が展開するカフェレストラン「MOCU-MOCU」。店内には新鋭アーティストの絵や同店オリジナルの食器、Ｔシャツなどが並び、まるでアートギャラリーのような印象を受ける。
　お好み焼き、大判焼き、たこ焼きといった、いわゆる〝粉もの〟に着目し、これらを含む日本の食文化をニューヨークで広めようと、今年６月にオープンした。今では寿司やラーメンが世界中で食べられるようになっているのに、日本人にとって同じくらいポピュラーな粉ものが、海外ではあまり知られていないことに疑問を持ったことがある人も多いはず。「ここ（ニューヨーク）にないものを作りたい」という思いのもと、同店では本場大阪で粉ものを徹底的に勉強し、職人から学んだお好み焼きや大判焼き、またオリジナルのメニューを数多く提供する。

　種類豊富なメニューの中には、惣菜や弁当、ランチプレートに朝食メニューと、朝から晩までいつでも食べられる品々が並ぶ。手作りであることと素材には特段こだわり、地元ニューヨーク産の野菜や鶏肉、無農薬牛乳を使用している。野菜はたっぷり、自然のまま新鮮なうちに、そして調味料も添加物の入っていないものを選ぶなど、ナチュラル思考の料理の数々。どれも体がすんなり受け入れたくなるような、やわらかなやさしい味であり、食べるうちに日本に帰ってきたかのような気分になる。季節により変わる惣菜は単品でテイクアウトもでき、自宅でも同じ味が食べられるのは、忙しいニューヨーカーには大変うれしい。

多彩なメニューに「日替わり」も登場

　テイクアウトスペースは朝８時半からオープンしている。一日の始まりに大切な朝食には、トマトやチーズの入ったお好み焼き「地中海」やスープ各種、大判焼きなどでエネルギー補給をしたい。ランチには「お好み焼きランチセット」でバランス良く栄養を取り入れ、また10種のメニューが詰まった「弁当（９・25ドル＋税）」なら、同店自慢の惣菜が一度にたくさん味わえるのでおすすめ。こちらはテイクアウト用のみ、終日販売している。また、いなり寿司やハヤシライスなどのメインに惣菜が付くセットメニュー「今日のスペシャル」、オーセンティックな「広島焼き」も用意しており、いつ訪れても顧客の舌を飽きさせないのも魅力だ。さらにアルコール類も販売しているので、カジュアルな雰囲気の中で〝おつまみとビール〟〝メーンディッシュと日本酒〟のように食事に合わせて好きなお酒を楽しむのも良い。中でもひと味変わったオリジナル酒カクテルは、来店した際にぜひ試してもらいたい自信作。

　「食事の匂いや湯気がモクモクする感じ、ふんわりしたやさしい響き、さらに一つのことにこだわって〝モクモク〟と働く、などいろんな意味が込められているんです」と朋美さん。子連れで訪れる人も多いので、今後はお子様ランチなどもメニューに加えたいと言う。
　日本伝統の食文化を守りつつ洋のテイストも加わった食事、そして季節毎に変わるメニューと、選択肢が多く多彩な場面で利用できるMOCU-MOCU。食事をゆっくり味わいながら、ほっとした時間を過ごせるだろう。

MOCU-MOCU
746 10th Ave（bet 50th & 51st St）
212-765-0197
www.mocu-mocu.com
日・火〜木：8:30am〜10pm（LO9:30pm※）
金・土：8:30am〜11pm（LO10:30pm※）※スイーツ、ドリンクはラストまで
月：Closed