消火栓の蓋を開け、放出される水で涼しむのは長年ニューヨークで見られてきた光景だが、蓋が開けられるたびにかさむコストを懸念して、むやみに消火栓で遊ばないよう市の環境局が注意を促している。
7月6日時点で消火栓の蓋を開けて水遊びをしているとの苦情は458件寄せられている。消火栓での水遊びは、ほかに水辺の遊び場が少ないニューヨークでは昔からよく見られることだ。しかし、環境局によると市内に設置されている消火栓は1分間で1000ガロン(約3785リットル)の水を放出するよう設計されているため、消火栓の蓋が開けられれば近隣に建つ家の水圧が低下するほか、本当に消火栓からの水が必要な時に使えなくなる恐れがあるという。
よってこの夏、市民に消火栓の大切さを伝えようとする取り組みが行われており、特に消火栓で遊ぶ子どもたち向けに水の大切さや、消火栓の水圧で飛ばされ車にひかれ死亡した人の例を挙げて、その危険性をパンフレットに記し、ブロンクス区やマンハッタン区のワシントンハイツなどで配っている。また、消火栓から放出される水の水圧を1分25ガロン(約94リットル)にまで下げるホース式の蓋の設置も呼びかけている。