マンハッタン区ハーレムの公立校ティーチャーズ・カレッジ・コミュニティスクールの校長が、州の統一試験が行われた際、3年生の生徒がやり残した英語の答案に自身が書き込むという不正を働き、後日地下鉄の線路に飛び込み自殺した件を受けて、ニューヨーク市教育局(DOE)は今月28日、事件についての調査結果をまとめた文書を公開した。
それによると、DOEに4月17日「ジーニーン・ウォレル=ブリーデン校長は、複数生徒の答案用紙に校長自らが解答を書き込んだことがあると、ある人に告げていた」とする告発メールが届き、その理由として「全部回答できなかった生徒が何人もいたため」と校長が話していたと記されていた。
告発内容はDOEの特別調査委員会に伝えられ、翌月18日に同校で聞き取り調査が行われた。その結果、告発内容は事実であることが判明したという。
2011年に新設された同校はコロンビア大学の協力を受け運営される人気校で、入学は抽選で決定する。開校当時は小学校低学年の子どもたちだけを受け入れていたが、ことし初めて3年生も受け入れた。しかし、地元の学区内で行われる3~8年生を対象にした昨年度の州統一試験で、英語が習熟レベルに達していた同校の生徒はわずか15%であった。そのことから、校長が3年生のテスト結果を気にしていたものと考えられている。