世界中の空き部屋などを所有する提供者と宿泊場所を探している旅行者をインターネット上でつなぐ、オンラインシェアサービス「エアビーアンドビー(Airbnb)」が原因とみられるアパート不足がマンハッタン区で続いており、波紋が広がっている。
ニューヨーク市のある住宅調査団体が行った最新の調査によると、イーストビレッジでは空き部屋の28%を同サービスの利用者が占めているという。特に、マンハッタン区やブルックリン区などニューヨーク市内で人気の20地域にある空き部屋のうち、およそ10%がエアビーアンドビーの宿泊先として提供されているという。同サービスは本来、アパートなどの居住者が不在中に、その部屋を宿泊先としてオンライン上で提供するものだが、この調査で年間平均247日もの間アパートがホテルとして提供されており、そのうち109日間宿泊客が泊まっていることが分かった。また多くの利用者が、自分のアパートを完全に宿泊施設として提供しているという。
居住者が不在時の賃貸物件を「又貸し」することは法律で禁じられており、以前から同サービスは違法なのでは、と疑問視されていた。今回の調査で、空き部屋を宿泊施設として提供し、利益を上げようとする行為が空き部屋の不足を招いていることが浮き彫りになり、波紋はますます広がっている。
エアビーアンドビーはこの調査結果について「ありえない」とし、「根拠のないデータだ」と反論した。