ニューヨーク歴史問題研究会は7月23日、日系人会ホールにて第36回目となる7月例会「靖国と日本人 ―神学として、国家戦略としての靖国―」を開催した。
終戦70年を迎えた今こそ、これまでの日本を振り返るべく、今回の「靖国」というテーマを選択したという同研究会会長の高崎康裕氏は、「靖国神社」の精神的な意味を考える上で、「明治の靖国創建にはどのような意義があったか」「〝靖国で会おう〟を合言葉に、無数の先人が散った大東亜戦争を通じて、靖国は近代日本の中核価値としての本質をあらわにした」「大きな犠牲と引き換えに靖国神社の本質が現れたにもかかわらず、侮辱に汚されてきた戦後の状況と現状の確認」が大きな議論対象だと分析した。
さらに、英霊の遺書を集めた「英霊の言乃葉」にみる靖国の思想を読み解き、この思想は思想というものを超えて、むしろ「神学」と呼ぶべきものではないか、と解いた。英霊の思いは手紙となり、遺書として残っているものもある。その中では妻への永遠の愛を綴るものも多いという事実に、参加者らは驚きの表情をみせた。また高崎氏は「神学としての靖国、一民族の魂の神話的な相聞の場所こそが靖国神社である」と話した。
終盤では「安倍首相の参拝がもたらす新たな戦い」についても触れたのち、質疑応答の時間も設けられた。今回初めて参加した女性は、「日本人の心に染みるところを学ぶことができ、有意義な時間を過ごせた」と、めったに聞くことのできない靖国についての感想を語った。
次回の例会は今月27日を予定している。詳細はwww.nyrekishikenkyu.orgを参照。