警官が同性愛者に差別行為 スタテン島の男性が提訴の意向

 ニューヨーク市警察(NYPD)の警官から暴行を受けたスタテン島の男性が4日、市とNYPDの警官4人を相手取り、2500万ドル(約31億円)の損害賠償を求める訴えを起こす意向を明らかにした。
 ミッドランドビーチに住むルイス・ファルコンさん(30)は6月19日午前5時30分ごろ、酔って帰宅した兄と口論になり、騒音に対する苦情を受けた警官がファルコンさん宅に駆け付けた。ファルコンさんに家から出るように命じた警官は、飼い犬が吠えると、「黙らせなければ犬を殺すぞ」と怒鳴り、ファルコンさんを外へ引きずり出した。警官はファルコンさんの身体を芝生の上に放り投げ、殴ったり踏みつけるなどの暴行を加え、顔を泥に押し付けたという。
 顔中泥だらけで鼻や口から出血していたファルコンさんが息をしようと泥を吐いたところ、警官の1人が「泥に触れるな。エイズかもしれないぞ」と同性愛者であるファルコンさんを中傷した。近隣の住民が、一部始終を携帯電話で撮影していた。
 ファルコンさんは鼻を骨折し、頭部や身体にあざができ、同日病院で14〜15時間にわたり治療を受けた。NYPD広報担当官は、同件は市民苦情審査委員会に任せていると述べ、「警官が到着した時点でファルコンさんは理性を失っており、身柄を拘束される際に警官の顔に唾を吐いた」と主張している。一方、ファルコンさんはこれを否定している。

NYPD by Dave Hosford