最後のテーマは「旅」 JS夏期朗読講座発表会

フジテレビの阿部知代氏を講師に迎える、ジャパン・ソサエティー夏期朗読講座の発表会が8日、ジャパン・ソサエティーで行われた。
 「会うは別れの始まり」。旅をしていれば必ず訪れる「出会い」と「別れ」の物語を届ける、5回目となる今回のテーマは旅。
 第一部は受講生12人による朗読からスタート。松尾芭蕉やアップル創業者のスティーブ・ジョブズなど古今東西の人物が語ってきた「『旅』をめぐる言葉」12編を発表した。続く川端康成の「伊豆の踊子」では、BGMとともに朗読が始まった。登場人物の心情を的確に伝える表現力は、その情景が思い浮かぶようで、まるで演劇を見ているような臨場感に満ちていた。
 参加した山本さんは「普段の生活から発声や滑舌に気をつけ発表会に臨んだ」と練習を重ねた思いを聞かせてくれた。
スペシャルゲストのマリンバ奏者、ミカ・ストルツマンさんを迎えた第二部は、彼女のソロ演奏に加え、夫でグラミー賞受賞の世界的クラリネット奏者、リチャードさんの夫婦共演も行われた。
 発表会を締めくくる阿部氏の朗読「竹取物語」は、ミカさんの演奏とともに行われ、ストーリー展開に合わせて変わる音色は絶妙のコンビネーションで、観客をより一層朗読の世界に引き込んだ。
 阿部氏の日本帰任につき、2年半にわたった朗読講座は今回で最後となった。数少ない男性の出演者だった中島さんは「人前で話せるようになりたくて参加したが、それ以上にかけがえのない人たちに出会えた」と、朗読会へ参加したことへの喜びを語ってくれた。

講師を務めたフジテレビの阿部知代氏(中央)と参加者たち