マンハッタン区アッパーウエストサイドの高級アパート「ダコタハウス」の1室を購入したにも関わらず、16年経った今も入居できずにいる不動産開発業者が、同ビルを相手取り訴えを起こした。
不動産開発業者、メトロポール・リアルティー・アドバイザーズの最高経営責任者ロバート・シーゲルさんは1999年、同ビル1階のメゾネットタイプのアパートを220万ドル(約2.7億円)で購入したが、部屋を改装して移り住むことを拒否され続けたため、ことし初夏、アパートを相手取り5500万(約68億円)ドルの損害賠償を求める訴えを起こした。しかし、同ビルの代理人弁護士ジョン・バン・ダー・ツイン氏は、シーゲルさんの提訴は6年間と定められた詐欺罪の提訴期限を過ぎているので、無効であると主張した。
これを受けシーゲルさんは、同ビル理事会の役員らがシーゲルさんを飲食に招待したり、別の役員の個人的で不適切なゴシップ話を聞かせるなどして仲間意識や信頼を植え付け、故意に提訴のチャンスを逃すように仕向けたと主張している。
バン・ダー・ツイン氏は、「原告が申し立てた事実だけでは、提訴を妨げるために故意に計画されたという証拠にはならない」と主張している。
ダコタハウスはジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻が暮らしていたことで有名。