ニューヨーク市の学校職員の不正行為を捜査する機関、市学校捜査特別委員会(SCI)が、報告された不正行為の1%しか捜査を行っていなかったことがわかった。
市学校捜査特別検査官のリチャード・コンドン氏によると、2014年に報告を受けたおよそ300件の不正行為のうち、捜査が行われたのは試験得点や成績評価の改ざんなど、わずか3件だけだった。SCIが昨年調査した苦情の6%近くが成績の改ざんなどの不正行為に関するものだったというが、SCIは自局で捜査を行わず、ほとんどを市教育局(DOE)の特別捜査課(OSI)に依頼していた。
SCIは市捜査局の傘下にあり、教育局からは独立した機関であるため公平な立場にある。また検査官のほとんどが引退した市警察(NYPD)の刑事のため、専門的な見解が期待されていた。一方、捜査官のほとんどが弁護士であるOSIは、DOE内に設立された捜査ユニットであるため、DOEにとっては内部調査となり有利な立場となる。
SCIが職員の不正行為についての捜査を避けることについて専門家は、「人目を引く重要な事件だけ自局で処理にあたり、それ以外はOSIにやらせている」「試験の不正は、彼らの基準に合わないのでは」と批判している。