ニューヨーク州の教育局がこのほど発表した州統一試験の結果によると、全体の成績は昨年よりもわずかに上昇しているものの、人種による学力の格差は埋められていないことが分かった。
ことし実施された数学の試験で、およそ120万人いる市の公立学校に通う生徒のうち35.2%が合格基準に達しており、昨年の34.2%からわずかに上昇していた。また英語の試験では、昨年の28.4%より2%増の30.4%が合格基準に達していた。人種による成績の差はこれまでとほぼ変わりなく、白人およびアジア系の生徒の50%が英語の試験で合格基準に達しており、ラテン系と黒人の生徒ではわずか20%だった。
数学の試験でもアジア系生徒の成績が最も優れており、その66%が合格基準に達し、次いで白人が55%、ラテン系が23%、黒人の生徒で合格基準に達したのは20%以下だった。
ビル・デ・ブラシオ市長は12日に行われた記者会見で、「人種による学力の差を縮める対策はまだ始まっていない。学力格差削減についてはこれから取り組む」と述べ、人種による学力格差はまだあるものの、英語成績のわずかな向上と、ラテン系および黒人の生徒の全体成績がわずかに好転していることなど、肯定的な面を取り上げた。