NJで水の使用量が急増 水不足の危機

 ここ数年、ニュージャージー州では企業や家庭などで水の使用量が急増しており、干ばつに襲われた場合には深刻な水不足に陥ると予想され、同州が至急対策を取るよう迫られている。
 米国地質調査所が最近発表したデータによると2000年に比べ、同州で1日の使用量が10年には1億ガロン(約3億8千万リットル)増加し、これは年間400億ガロンの増加に相当するという。特に原子炉の冷却のために水を多く使うサレムおよびオイスター・クリーク原子力発電所では1日の使用量が2億ガロン増加という、高い増加率が記録された。
 現在のところ、同州の気候に異変はなく水の供給に問題はないようだが、専門家のジェフ・ティテル氏は「既に地下水は枯渇し始めており、有害物質の流出などで使用できない井戸が増えている。近いうちに十分な水を供給できなくなるだろう」と話している。
 同州内では既に過剰取水によって水が汲み上げられない場所も出てきており、水質保護に努めるニュージャージー・ハイランド協会が芝生への水やりなどの制限を推奨したりしているが、効果が薄いという。そのほかにも大量に水を使用するだけでなく、核燃料に汚染された水を排出する原発も問題視されている。