ニューヨーク市がこのほど発表したデータによると、市内で低所得者など向けの低価格住宅の数が増加しているが、その多くがブルックリン区の3地区に集中しているという。
市住宅保存開発局が2015会計年度に承認し、同区に新しく建設された3069戸の低価格住宅の75%がプロスペクトハイツ、ダウンタウンブルックリン、グリーンポイントに集まっている。これに加え同区では、既存のアパート3846戸が、低価格住宅として承認されている。市は、低価格住宅を新築する以外にも、既存の低価格住宅の所有者に期限終了後も安価な家賃を継続するよう要請したり、一般のアパート所有者に設備改修費用の負担や税金控除と引き換えに、相場よりも安い家賃を提供するよう求めてきた。
同局は今会計年度、市全体で昨年度の7054戸の3倍以上となる、2万326戸の新築および既存アパートを低価格住宅とすることを承認した。これは同局が37年前に設立されて以来、最多となる。
低価格住宅とは、年収が平均所得以下の世帯を対象とし、家賃が年収の30%以下になるものをいう。現在ブルックリン区の平均家賃は月2730ドルで、マンハッタン区は3963ドルだという。ビル・デ・ブラシオ市長の広報担当官によると、市は今後10年間に20万戸の新築および既存のアパートを低価格住宅とすることを目標にしているという。