ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長は27日、市防災局主催のイベントに参加し、2012年に米北東部を襲ったハリケーン「サンディ」のような大災害に備えた、ローワーマンハッタンの浸水対策について発表した。
市が予算1億ドル(約121億円)を費やし行う予定のこの対策案では、ローワーイーストサイドのモンゴメリー通りからバッテリーパークシティの最北端までのU字型に続く沿岸地域に、5〜7年間かけて開閉式防波堤や自然堤防が建設されるという。同地区を堤防で取り囲んで要塞化するのではなく、市民がこれまで通り水辺に容易にアクセスできる状態を保つため、災害に見舞われた時にだけ地中から現れる開閉式防波堤や、河川の水位が増し浸水するのを防ぐために川岸周辺に盛土をした人工土手、これを利用した公園などの建設が計画されている。
同計画は、200億ドル(約2兆4000億円)をかけて市が行う災害対策の一環で、クイーンズ区のジャマイカベイやブルックリン区のレッドフック、コニーアイランド、またスタテン島などでも同様の計画が進められるという。
同日は、米南東部を襲ったハリケーン「カトリーナ」から10年の節目。市長は「カトリーナからの辛い経験により教訓を得て、サンディからも学んだ。これらの教訓を生かした対策を実施するつもりだ」と述べた。