自身の宗教観から子どもにワクチン接種を受けさせないと主張していたニューヨーク市内に住む母親がこのほど、裁判に勝訴し、未接種の子どもにも登校許可が下された。
米国では子どもが就学する前に三種混合ワクチンの接種が義務付けられているが、今回訴訟を起こしたロシア人の母親は、堕胎された胎児の細胞を使用しているワクチンは自身の宗教観に反するとして、子どもにワクチン接種を受けさせるのを拒んだ。ニューヨーク州教育委員会のメアリー・エレン・エリア長官は「母親のワクチンへの不信感は根強い宗教観から来るものである。しかし、彼女の主張する通り中絶胎児から抽出した細胞の使用が認められたため、未接種での登校を許可した」と話している。
法律では、ワクチンが宗教観に反する場合は、接種せずに登校することが認められている。しかし、多くの医療関係者によると、ワクチン未接種の子どもたちを登校させることは、病気の流行にもつながりかねないと懸念しており、「子どもたちの健康が優先されるべきだ」と話している。