子どものいびきに要注意! 睡眠呼吸障害と成績の関係

 9月に入り、新学期が始まった米国。新しい環境のなかで勉強にも力が入る時だが、最近、睡眠中のいびきや無呼吸症候群などの「睡眠呼吸障害」が、学校での成績悪化につながるという研究結果が新たに確認された。
 ニュージーランドの大学教授、バーバラ・ガラン氏主導の研究チームは、12カ国の5〜17歳の子ども約550人を対象に、習慣的ないびきや睡眠時無呼吸症候群(睡眠時に呼吸が一時停止する症状)など睡眠呼吸障害の症状があるかに加えて、成績スコアのデータを集め、分析した。すると、睡眠時に呼吸障害を持つ子どもの平均スコアは、呼吸障害のない子どものスコアより、およそ12%下回るという結果が出た。特に、国語は12・3%、数学は13・1%、理科は11・6%低かったという。そのため、親や教師、保健医療の専門家は、睡眠呼吸障害の潜在的な影響を認識し、症状を把握する必要があると、ガラン氏は警告を促している。
 2009年のジャーナルスリープ誌に発表された研究報告によると、米国の全小学生のうち、100人に1人は睡眠呼吸障害を持っているという。ガラン氏は「研究データを見ると、睡眠呼吸障害を持つ子どもの平均成績は、特に異常値ではなく、典型的な平均成績の範囲内ではある。しかし、この〝負の影響〟は時間が経てば解決するという問題ではない。今後その子どもたちが、この平均値を下回るスコアを出す可能性があることは否めないだろう」と語った。
 では、わが子に睡眠呼吸障害が発覚した場合はどうすれば良いのか? 子どものいびきや睡眠呼吸障害の主な原因は、口蓋扁桃腺やアデノイド(咽頭扁桃)の肥大に関連している場合が多いといわれ、肥大した部分の切除手術による治療が可能だという。その他、噛み合わせの悪さが関与する場合もあり、近年はこの治療のための歯科技術が開発されている。また、現代人に多い肥満も、脂肪が気道を狭めるため、いびきや無呼吸症候群を起こす要因のひとつだ。従って、わが子に睡眠呼吸障害が発覚した段階で、すぐに医師に相談することがベストだろう。
 今後もより多くの研究が必要とされる、睡眠呼吸障害。新学期が始まってこれから勉強をがんばろうと意気込んでも、質のいい睡眠が取れないと、集中力だけでなく肉体にも影響が出て、楽しい学校生活が送れなくなってしまう。これからはわが子が勉強している姿だけでなく寝顔を見ることも大切かもしれない。
※参考:www.amny.com/lifestyle/health/kids-who-snore-may-have-poorer-grades-in-school-study-1.10817419

Tanozzo