マンハッタン区ミッドタウンのデリが、メキシコからの移民を侮辱する発言をした不動産王で次期米大統領選への出馬を表明しているドナルド・トランプ氏をちゃかそうと、店頭のチップジャーに「メキシコ国境の壁基金にご寄付を!」とのメッセージを添付したところ、チップを入れる客が倍増したことが分かった。
チップの入りを何とか増やせないかと考えていたマイクズ・コーヒー・アンド・デリの経営者フェリペ・オルテガ氏は、店の従業員のほとんどがラテン系であることから、「メキシコからの不法移民を取り締まり、国境には壁を設置すべき」と発言したトランプ氏をユーモアで対抗しようと、このメッセージを考えたという。
オルテガ氏はニュースサイトDNAインフォの取材に対し、「トランプさんが壁を設置したいと言うから手伝ってやろうと思った」と皮肉交じりに答えている。
先月25日、トランプ氏が自身の「不法移民は直ちに本国へ強制送還すべき」とする発言に対し、「何百万もの人々をどう移送するのか」と質問したスペイン語放送番組の記者を会見場から追い出すという出来事があった。
これについてもオルテガ氏は「メキシコ人が多く住む町では、あらゆる場所で彼らが働いており、もし全員強制送還してしまえばコーヒーだって飲めなくなる」と話している。