“食べられる美術館”オープン ブルックリン区ウィリアムズバーグに

 飲食物に関する教育プログラムや展示を行う、“食べられる”美術館「Museum Of Food And Drink」(MOFAD)が、初となる実際の美術館「MOFADラボ」をブルックリン区ウィリアムズバーグに、10月28日オープンさせることが分かった。
 多くの美術館の展示が「Do not touch」なのに対し、この美術館では飲食を扱うとあって見たり触ったりできるだけでなく、嗅いだり味わうことのできる美術館として、館長でシェフのデイブ・アーノルドさんによって2005年に設立された。しかし、実際の運営がされたり、イベントを行ったのは13年になってからのことで、キックスターター(クラウドファンディング事業を行う米国企業)を通じて、ようやく始動することができたのだという。今回は美術館のサテライト版ということだが、“物理的な美術館”の建設は、主要メンバー全員の願い。それがやっと成就したかたちだ。
 今秋に始まる初の展示では、「味覚」について歴史、文化、科学、生理学の分野から紐解く。同区マッカレン公園近くの5000平方スクエア(約460平方メートル)の新拠点で、「MSG」や「ナチュラル vs アーティフィシャル」の秘密に迫るという。この展示は、来年2月29日まで行う予定だ。
 将来は、このラボのみならず6倍の大きさを誇る有形の美術館を建設し、レストランも併設するという。“味にうるさい”ニューヨーカーたちの間でどう受入れられるか。今後の取り組みが楽しみだ。

piepie