海外旅行中の学生も駆けつけて「若返り」 東京外語大同窓会のNY支部


 国立大学法人東京外国語大学の同窓会「東京外語会」のニューヨーク支部会合が11日夜、ニューヨーク中心部マンハッタンの日本料理店「Shinbashi」で開かれた。参加した17人のうち5人が現役大学生という顔ぶれとなり、大手企業幹部ら40~50歳代の卒業生が中心だった2年前と比べて出席者の平均年齢が10歳以上も若返った。
 この日は世界中枢同時テロから丸14年に当たり、杉田守支部長(ニューヨーク市立大学クイーンズ校准教授)はテロの発生日について「当時は大学院生でユニオンスクエア近くの自宅におり、消防車のサイレンが鳴り響き、焦げ臭いようなにおいが漂ってきたのを鮮明に覚えている」と述懐。テロでは東京外大の卒業生も犠牲になっており、出席者一同は亡くなった方々に哀悼の意を捧げた。
 この日参加した学生には留学中の地元在住者に加え、それぞれ「グレイハウンド」の長距離バスなどを利用した米国旅行の途中で英語専攻3年の岩本千裕さん、タイ語専攻4年の関谷昴さんも。重さ約20キロに達する大きなリュックサックを抱えて現れた関谷さんは「低予算の旅行なので、先日はニューヨークのバスターミナルの待合室で1泊した。この会合が終わった後にボストンへ向かうバスに乗り、その後はカナダのモントリオールなどを巡る」と語り、旺盛な行動力で卒業生らを驚かせた。
 一方、北米各地を移動中の岩本さんも「ビザなしで米国に滞在できる3カ月間を50万円の予算で過ごし、半分以上を移動費に充てるため主婦顔負けの節約術を駆使してきた。他人の食べ残しで食いつなぎ、海岸や草むらで夜を明かすこともしばしばだ」と苦労談を打ち明けた。その上で「極限の貧乏旅行だけに些細な他人のやさしさ、思いやりに深く感動することができる。日々の発見にあふれており、日本で平和に暮らすだけでは得られないインスピレーションを全身で感じ取っている」と意義を強調し、得た経験を将来に生かしたいと訴えた。
 日本の若年層に「内向き志向」が広がっているとされるのとは対照的に、海外旅行で見聞を積極的に広げようとする学生を迎えた支部会合は大いに盛り上がった。大部分の出席者が顔を出した2次会は翌日明け方まで続き、会合は全体で8時間以上に及んだ。
 東京外語会ニューヨーク支部への問い合わせはメールアドレス、gaigo.ny.gaigo@gmail.com(寺前憲人幹事長)まで。