食糧支援団体、ニューヨークシティ反飢餓連合がこのほど発表した最新の地域調査データの分析結果によると、ニューヨーク市では経済的格差が深刻化し、市の子どものおよそ30%が貧困状態にあるという。
市の昨年の平均世帯所得は5万2996(約638万円)ドルだったが、市の経済的格差はドミニカ共和国やインド、エルサルバドルよりも激しいという結果が出た。市民の5人に1人、また州民の16%が、3人家族の世帯で1万9790(約238万円)ドルという連邦政府が設定した貧困基準を下回る世帯収入で暮らしており、ブロンクス区では43%以上の子どもが貧困レベルの生活を送っているという。
食糧支援団体、反飢餓ウエストサイド・キャンペーンの事務局長スチュワート・デズモンド氏は、2008年の不況以降フードバンクや食糧配給所の利用者が増加しているが、政府が貧困者に食糧配給券を発行するフードスタンプ制度の過去2年間における縮小が、さらなる需要を招いているとの見方を示した。住宅にかかる費用が高騰したことで食費にかける余裕がなくなったことも、食糧支援制度利用者増加の要因であると考えられる。
同データは、全国および地方経済の回復も、低・中所得世帯にとってはいまだに実感できないものであるということを示している。