日本人プロデューサー・出口まこと最一(まこと)氏による ミュージカル 「TRIP OF LOVE」


【日時】プレビュー公演: 9月26日(土)~10月17日(土)
   本公演: 10月18日(日)〜無期限
   ※水、土は1日2公演、月は休み
   ※時間、公演数は日によって異なる
【場所】ステージ42
   422 W 42nd St(bet 9th Ave & Dyer Ave)
【料金】プレビュー公演: A席99ドル、B席69ドル
  本公演: A席109ドル、B席79ドル
【Web】www.tripoflove.com
【問い合わせ】TRIP OF LOVE運営事務局
    212-869-6733(TEL)

夢の中の恋物語。Austin MillerとKelly Felthous ©James Walski


 2008年春に大阪でのトライアウト公演を行ったミュージカル「TRIP OF LOVE」の本公演が、10月にオフブロードウェーで決定した。
 プロデュースは全世界で大ヒットを飛ばした「BLUE MAN GROUP: TUBES」で知られる出口最一氏。出口氏は「劇団四季」にて俳優として活動後、1987年に渡米し、「Circle Repertory Theatre」に入団。制作補佐、演出助手をしていたころに「ブルーマン」たちに出会い、彼らの才能を見抜きプロデューサーとしてオフブロードウェーの「BLUE MAN GROUP: TUBES」を制作し、世界中で大成功を収めた。演出と振付は「Saturday Night Fever」のジェームス・ウォルスキー氏、衣装は「Kinky Boots」でトニー賞を受賞したグレッグ・バーンズ氏という、豪華スタッフで脇を固める。
 あらすじは、1960年代の米国にタイムスリップした少女キャロライン(ケリー・フェルサス)が、まさに「激動の60年代」だった時代の流れの中で、さまざまな人たちと出会い、恋に落ち、成長していくというもの。この60年代の米国というのは、政治、社会、若者全てが「自由」を勝ち取るために日々戦い、それまで表舞台に出ることが許されなかったアフリカ系米国人、米国先住民、女性、「新移民」の白人少数派の子孫、ラテン系米国人などが、主義、主張を積極的にし始めた時代だ。マーティー・ルーサー・キング・ジュニア氏が行った名演説「I Have a Dream(私には夢がある)」が63年に行われ、その後の公民権運動に多大な影響を与えたのは周知の事実だろう。
 そしてその彼らを支持したのが、大勢の若者たちであった。その大勢の若者たちが生み出したのが、60年代を代表する「カウンターカルチャー(対抗文化)」だ。カウンターカルチャーとは、若者たちが自身の親世代が第二次世界大戦後から築いてきた「中流階級の安定した生活・文化」というものに“NO”を突きつけるというもので、長髪とひげ、ジーンズにTシャツ、そしてロックンロールが大流行し、政治的・社会的なメッセージソングが増えた。
 このような、人々が未来の自由のためにエネルギッシュに戦っていた60年代の米国の時代背景を鑑賞前に知っておくと、このミュージカルを倍以上に楽しめるだろう。同ミュージカルでは60年代の米国のヒットナンバー「Windmills Of Your Mind」や「Moon River」、ファッション、ダンスなどが、幻想的かつきらびやかに繰り広げられる。

「I Saw Her Standing There」での見事なジャンプ! ©James Walski