ニューヨーク市では飲食店などがテイクアウト用に使用する使い捨ての発泡スチロール容器の使用を禁止する条例が可決され、7月1日より施行となったが、マンハッタン区地方裁判所は22日、同条例を撤廃する決定を下した。
同条例は、マイケル・ブルームバーグ前市長が引退する直前に可決された条例のうちの1つであるが、発泡スチロールグッズ擁護団体はことし初め、市は発泡スチロールがリサイクル可能であるということを証明するための公平な機会を与えなかったと主張し、条例の撤廃を求めていた。同裁判所のマーガレット・チャン判事は、市の「発泡スチロール容器をリサイクル用に集荷したり加工したり、販売する取引市場はなく、再利用は不可能」という考えは間違っており、リサイクル商品への関心は高まるばかりであると主張した。
一方、ビル・デ・ブラシオ市長の広報担当官イシャニー・パリーク氏は、「発泡スチロール製品は環境に深刻な害を及ぼす。われわれは3万トン近い発泡スチロールがごみ廃棄場や道路、水路などに捨てられるのを阻止しなければならない。条例を保つためにできることを検討する」と決定に反対する姿勢を示した。