マンハッタン区ハーレムで24日、現金80ドルを巡り売春婦が裸でボクシングの試合をしていたことが、別の裁判の過程で明らかになった。
同区西145丁目のタウンハウスで2014年10月、20代の売春婦ヤヤさんとインディーさんは、同じく売春婦の通称アフリカさんが80ドルを盗んだとして、盗んだことの証明と返却を求めてボクシングの試合をもちかけた。アフリカさんは試合を承諾し、3人に売春を斡旋していたロレンツォ・サイクス被告(52)が試合を撮影、共犯者のクリストファー・ハドソン被告(20)が審判を務めた。試合は3人とも裸で行われたという。
ヤヤさんとインディーさんは試合に勝ち、アフリカさんが隠していた80ドルを取り返したが、その直後、アフリカさんは近くの教会に駆け込み、両被告および撮影した仲間の1人ケニー・ブラウン被告に、性的人身売買を目的に誘拐されていたとして助けを求めた。3人は、ニューヨーク市警察(NYPD)の警官に逮捕され、性的人身売買の罪などで起訴された。
先々週に行われた法廷審問で、ブラウン被告の弁護士が、アフリカさんが受けた傷が同被告らによるものでなく、ボクシングの試合によるものであることを証明するため、同区検察局に押収された試合のビデオの返還を求めたことにより、事件の真相が明るみに出た。同局は返還を拒否したが、裁判官の指示で、弁護士は検察局でビデオを閲覧したという。